颯太は慰めるよ

「わからないぞ~あんがい、そっちの方にあるかもしれない」
岸本先生は、面白がって、ハッパをかけるようにして言う。
すると、裕太は困ったような顔になっって、
「でも・・・1人じゃ、探せないよ!」
と、泣きそうな声を出すので、颯太は慰めるように、裕太の
背中に手をあてて、
「大丈夫だよ。ボクは、必ず会いに行くから」と言い、
岸本先生も、
「そうだ、先生も、裕太に会いに行くからな」
と、同じように言うので、
「ホント?」
と裕太は半分ベソをかきつつ聞くので、
「ホントだ」
颯太と先生が、図らずも同時に答えて、思わず顔を見合わせて、
苦笑いをした。
「それに、タイムカプセルも埋めなきゃいけないしな」
と、先生が続けて言うと・・・
「そうだった!」
と、裕太と颯太は、一声上げると、顔を見合わせる。
すっかり、タイムカプセルのことは、頭の中から、すっかり抜け落ちて
いたのだ。
「でも、ボク、引っ越ししちゃうのに?」
と、裕太が聞くと、
「おまえだって、十分ボクたちの仲間なんだから・・・
いいんだよ」と颯太が言うと、
裕太も「うん」と、元気よく答えた。